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歯周病でもインプラントは受けられる?

インプラントには複数の禁忌症が存在しますが、歯周病もその中に含まれています。
しかしながら、歯周病は状態次第ではインプラントが受けられる「相対的禁忌症」です。
どんな状態であればインプラントを受けられのかを紹介します。

関連ページ:インプラント手術ができない症状や習慣とは(https://www.dentist-oralproblems.com/howselect/implant-cannot.html

参照元:【PDF】「口腔インプラント治療指針2020 検査法・診断からリスクマネジメントまで」|公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/publication/dl/2020_guide.pdf

歯周病はインプラントができない場合がある

歯周病を患っていた場合は、口の中の状態によってインプラント治療を受けられないことがあります。

仮に、インプラントの対象となる歯の欠損が歯周病によるものであったとすると、残っている歯も歯周病がすでに進行しているか、歯周病菌に感染している疑いがあります。

その場合、インプラントを埋め込んだ歯茎へと、その残っている歯の歯周病菌が広がってしまうリスクが考えられるのです。

歯周病を患った患者にインプラント治療をほどこす際は、口の中の状態を確認し、まず歯周病の治療を行ってから診断が下されます。

また、患者本人による口の中の清掃も、とても大切な事項です。

歯周病の改善が見られればインプラント治療を行えますが、その逆に改善していない場合には避けられます。

また、たとえ歯周病の治療がほどこされていたとしても、インプラントを埋め込み、支えられるほどのアゴの骨の量がなかった場合には、やはりインプラント手術は見送られます。

参照元:【PDF】「口腔インプラント治療指針2020 検査法・診断からリスクマネジメントまで」|公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/publication/dl/2020_guide.pdf

歯周病でもインプラントを受けるには?

歯周病でもインプラント治療を受けることは可能ですが、その前に口の中の環境を整えたり、適した治療法の選択が重要です。

インプラントは歯周病を治癒してから

歯の欠損の原因が歯周病だった場合、また、口の中に残った歯にやはり歯周病が見られる場合は、インプラントの前にそれを治す必要があります。

またすぐ歯周病になり、それが原因でせっかく埋め込んだインプラントが脱落してしまっては治療の意味がなくなってしまうからです。

インプラント歯周炎を避けるためには習慣が大切

歯周病もそうですが、インプラント歯周炎を避けるためには何よりも歯磨きの習慣がとても大切。
インプラント治療を受けたら、必要な場合には医師や歯科衛生士の指導のもと、正しい歯ブラシの使い方を学んだり、歯磨きと同時にデンタルフロスを使うなどして、口の中の衛生を保ちましょう。

ストレート型インプラントの活用

インプラント手術を行う際は、それを埋め込むアゴ骨の状態が必ずしも整っているとは限りません。

口の中やアゴ骨の状態に合わせ、医師は色々な種類があるインプラントから使い分けなくてはなりません。

このページで紹介している症例では、歯周病の患者に対してストレートタイプのインプラントが用いられています。

ストレートのズボンを思い浮かべてもらうとわかりやすいですが、ストレートタイプのインプラントはその名の通り、上から下までほぼ同じ直径の円筒型をしています。

埋め込んだとき、周囲の骨に圧迫が起こりにくいと言われているインプラントなのです。

参照元:【PDF】歯周病患者に対する骨接合型インプラントの治療成績に関する臨床的研究(https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio/51/2/51_2_141/_pdf/-char/ja

歯周病症のインプラント事例

歯周病は患っている場合のインプラント治療の症例を見てみましょう。

患者は43歳の女性です。
初診の際は、口の中の清掃が充分とは言えない状態でした。

10年以上前から奥歯に痛みを覚え、投薬や抜歯などを繰り返していたものの、歯周病の治療については受けていません。

検査したところ、全顎の歯茎に赤みが見られ、膿も出ていました。上下の奥歯の周囲には5mm以上の深い歯周ポケットがあったのです。そのため歯周組織の破壊が進んでいる慢性歯周炎が急性化しているとの診断が下されました。

治療は、まず歯周病の改善から行われました。そして、破壊されてしまった組織を組成するため「歯周組織再生療法」を実施。歯肉の移植が行われました。

さらには、「骨増大術」と呼ばれる、アゴ骨のない場所に人工的に骨を作る手術を行い、インプラントを埋入。

ここまでに初診から3年8か月の期間を要し、最終的な治療から1年経過後も問題なく過ごしています。
ただし、メンテナンスのため3か月に1回の検査が必要となっています。

参照元:【PDF】歯槽骨吸収が高度な慢性歯周病炎患者に対する骨増大術を併用した骨接合型インプラントによる歯周病治療(https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio1968/45/4/45_4_372/_pdf/-char/ja

そもそも歯周病とは?

歯の周囲の歯茎(歯肉)に炎症を起こし、歯茎の下で歯を支えている骨まで溶かしてけてしまう病気です。炎症は細菌の感染によるもので、「炎症性疾患」に数えられています。

この歯周病は歯磨きやデンタルフロスをしっかりと行っていれば起こりにくく、逆に口の中の清掃が行き届いていなかったり、怠っていた場合には発症しやすくなります。

と言うのも、歯周病を引き起こす歯周病菌のエサが歯の周囲に残った食べカスだから。歯の周囲にたくさんの細菌が停滞すると、次第に歯茎は炎症を起こし赤くなりますが、痛みはほとんどありません。

しかし、放置していると歯周病はさらに進行してしまい、歯茎から膿が出たり、歯がグラグラするようになって、最終的には歯を抜かなければならなくなります。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎の場合は、名称通り、自分の歯ではなく、インプラントを埋入した周りの歯茎が炎症を起こします。

原因は、歯周病と同じ細菌によるもの。自分の本当の歯ではなく、細菌の塊である歯垢(プラーク)がインプラントに付着して炎症を起こしています。
歯垢は一見すると白や黄色のネバネバとした食べカスのように見えますが、電子顕微鏡でのぞくと大量の細菌が存在しています。

インプラント手術後も歯の清掃を入念に行っていなければ、始めは歯茎の周囲で増殖していた細菌が、骨に埋め込まれた部分にまで入り込み、重度の歯周病を起こしてしまいます。

そうなると、上部構造を支え切れなくなったインプラントが揺れ動いたり、最悪の場合は抜けてしまうことがあります。

治療を受けたからと言って安心せすしっかり清掃を

歯周病の改善も、そしてインプラント治療のメンテナンスも、カギは口の中の衛生状態が握っています。
治療したからと言って安心せずに、口の中の清掃をきちんと怠らずに行わなければなりません。
その際は、歯の間のデンタルフロスも忘れずに。

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