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インプラント手術ができない症状や習慣とは

外科的な手術を伴うインプラントは、多くの方に適合する一方、中には治療を受けられないという人もいます。
例えば、インプラントは金属のパーツを使うため、多くの歯科クリニックで金属アレルギーの人は受けられない可能性があります。
一方で、クリニックによっては金属アレルギー対応のインプラントを使っているところもあるのです。
そのほか、インプラント禁忌症などの症状もあることから、インプラントでは事前に医師と充分に話し合うことがとても大切になります。

インプラントができないケース

歯を磨かない

インプラントは歯茎に埋め込む人工物。そのため、本来生えている歯のように歯磨きする必要がない……。そう勘違いされている方もいます。
しかし、実際はインプラント手術後にはこれまで以上の入念な歯磨きが必須です。と言うのも、インプラントは天然の歯以上に細菌に感染しやすいから。インプラント周囲の組織が歯周病と同じ細菌によって炎症を起こすと、「インプラント周囲炎」になってしまいます。決して低価格とは言えないインプラントが、無駄になってしまうことも。

骨が足りない

インプラント治療は、アゴの骨にインプラントを埋め込む穴を開ける手術を必要とします。そのためにもアゴの骨は、少なくともインプラントを埋入できるだけの厚さと高さがなくてはなりません。
しかし、歯を失ったままの状態だった患者のアゴの骨は、やせ細っていることが多く、インプラントを埋入できないケースも少なくないのです。
ただ、このような場合でも、骨を広げたり新しい骨を作るなどの治療によって、インプラント手術も可能になります。

タバコがやめられない

インプラントは外科的手術を伴う治療ですので、そこにはどうしても失敗などのリスクを伴います。そして、喫煙者のほうがこの失敗のリスクが高まる傾向にあるのです。
タバコは白血球の活動を阻害するなど免疫力を低下させため、インプラント手術後も感染症を起こしやすくなります。
また、タバコによって血行が悪くなることから、インプラントと骨が完全に結合できず、手術が失敗してしまうことも。

妊娠中

妊娠していてもインプラント治療を受けることはできます。しかし、できることなら避けるのが無難。
第一にレントゲンやCTの問題があります。レントゲンやCTで用いられる放射線は体に悪影響を及ぼす基準値をはるかに下回ってはいますが、胎児へのリスクは極力避けたいところ。
また、インプラント手術によって出血量が増えると早産を誘発する可能性もはらんでいます。
つわりの時期のインプラント手術も、吐き気や食欲不振で弱っている母体への負担となります。

全身疾患他、インプラント禁忌症を患っている

全身疾患とは、全身に影響を及ぶ病気のことです。例えば、心疾患・脳疾患・腎疾患・血液疾患・感染症など。また、こうした全身疾患の多くが「インプラント禁忌症」にも数えられています。インプラント禁忌症は、インプラント手術に向かない病気のことです。
それでもインプラント治療が必要なときには、まず病気の主治医や歯科医師とよく相談してみなければなりません。
病気によっては先にそちらを治療し、改善してから改めてインプラント治療を受けることになります。

インプラント禁忌症について

インプラントは誰もが受けられるというわけではなく、患者の体調によって手術に不適応な「インプラント禁忌症」に分類されることもあります。

何の病気を患っているとインプラント手術が難しくなるのか、受けられる場合はどのような条件が必要なのかを説明します。

高血圧

高血圧症は血圧が正常より高くなる病気のこと。血管に負担をかけるため、脳や心臓などに重大な合併症を引き起こすことがあります。
高血圧の患者がインプラント治療を行う際にも、治療中にストレスで血圧が上昇するリスクが。歯の治療に麻酔は欠かせませんが、局所麻酔の注射もやはり血圧を上昇させてしまうことがあります。
高血圧症の患者がインプラント治療を行う際には、血圧をモニターし急激な上昇に注意する必要があります。

貧血

貧血は、赤血球に存在する「ヘモグロビン」という物質が少ない状態のこと
。ヘモグロビンは血の流れに乗って酸素を体中に運搬する役目を持っています。そのためヘモグロビンが減ってしまうと、体の組織に酸素が充分行き渡らなくなり、さまざまな体調不良に襲われます。
まず、細胞に酸素が行き渡らなくなった結果、傷を治す治癒力が低下します。貧血の人がインプラントを行なった場合、手術後に傷が治りにくくなったり、細菌に感染しやすくなるというリスクが生じます。

歯周病

歯周病は細菌感染による炎症で、進行すると歯茎や歯を支える骨、歯そのものなどを失ってしまう病気です。歯と歯茎の境目をきちんと歯ブラシやデンタルフロスで清掃してないと引き起ります。
歯が抜けたところにインプラントを入れたい場合は、まずこの歯周病をしっかり治療しなけば行えません。なぜならインプラントも歯周病に感染するからです。インプラントの歯周病は「インプラント周囲炎」と呼ばれ、自分の歯よりも細菌に感染しやすいと言われています。

糖尿病

糖尿病は血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの分泌が減ったり、働きが弱くなることで、高血糖の状態がずっと続いてしまう病気です。
糖尿病は多くの場合、命に関わる病気を含めて合併症を起こすのが大きな問題となっています。体の抵抗力も弱くなるので、例えばインプラント手術にしても細菌感染のリスクが高まります。
ただし、それも抗生物質など適切な処方を受け、手術前から感染対策をしっかりとしておけば、インプラント手術も可能だと言われています。

骨粗鬆症

骨粗鬆症(骨粗しょう症)は、骨がスカスカになったりもろくなる病気。人間の体内で骨の組織は常に破壊と再生を繰り返し、作り替えられています。しかし骨粗鬆症の場合は骨を破壊する細胞の働きが勝ってしまい、密度や質がどんどん劣っていってしまうのです。
特に女性は閉経したあと女性ホルモンの分泌が低下し、骨粗鬆症が進行しやすくなります。
骨の密度や質が劣化していることから、インプラント治療では通常よりも骨とインプラントの結合に長い期間がかかります。

心疾患

心疾患は、狭心症・心筋梗塞・心不全・心臓弁膜症・心筋症など、心臓で起こる病気の総称です。
インプラントは外科的な手術を必要とするため、患者によってはそれが心臓の負担となってしまうこともあります。
心疾患の患者がインプラント手術を受ける際には、心疾患を治療する主治医との連携が必要。途中でショックを受けたり心不全などが引き起らないよう、生体モニターで観察しながら慎重に施術を行わなければなりません。

免疫不全

免疫不全(免疫不全疾患)は、免疫系が正常に働かないため、健康な肉体に比べて感染症を起こしやすかったり、重症化・長期化しやすい病気です。リウマチや膠原病・天疱瘡などが数えられており、治療にはステロイド(副腎皮質ホルモン)が投与される場合が多いです。このステロイドの投与が骨の治癒や骨との結合に影響を及ぼすことから、インプラントの治療においてはリスクが高いとされています。

自己免疫疾患

自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。自己免疫疾患には、バセドウ病・関節リウマチ・橋本甲状腺炎・1型糖尿病などが挙げられます。長年にわたりステロイドを投与されることが多く、インプラント治療においてはやはり骨との結合にリスクの発生する可能性があります。インプラント治療が必要な場合は医師が連携し、事前にステロイドの量をコントロールするなどの対策が必要です。

血液疾患

血液疾患はその名の通り血液に生じるもので、さまざまな病気があります。重篤な病気も数多く、白血病や血友病などの血液疾患がある場合、出血を伴うインプラント手術は禁忌のひとつです。これは、手術の出血によって血液中の細胞の量や機能が変わり、血液が凝固しにくくなったり、免疫系で働くタンパク質が影響を受けてしまうため、さらには細菌感染を引き起こしやすなるなど、リスクも高まってしまいます。

アレルギー疾患

インプラント手術ではアゴの骨に金属であるチタン製の部品を埋め込みます。チタンはアレルギーを起こしにくい素材で、軽量かつ強度があり錆びにくいことから、インプラント治療を始めとして医療現場には欠かせません。しかし、ごく一部の人にはアレルギー症状が出てしまうことがあるのです。どの程度のアレルギー反応があるかは人それぞれで、口の周囲にだけ炎症を起こす場合や、ひどい時は体全身にアレルギー症状が出るケースもあります。

消化器疾患

消化器疾患は、食道・胃・大腸といった、食べ物を消化する器官が病気になることです。消化器官には色々な種類があるので、症状もさまざま。インプラント手術を行うとしたら、術後に処方される痛み止めなどにより、潰瘍が再発するリスクも考えられます。消化器疾患の患者がインプラント手術を受ける際は、事前にしっかりと医師と相談し、体調の管理、術前術後の薬の投薬にも気をつければなりません。

ウイルス性肝炎

ウイルス性肝炎は肝臓がウイルスに感染して肝機能障害を引き起こす病気のこと。A型・B型・C型などがあり、日本人に特に多い肝臓病です。症状が急に現れた時期、病気になり始めの時期、または末期でない限り、ウイルス性肝炎のインプラント手術への影響は少ないと言われています。しかし、相手はウイルスですので、院内感染は大きな脅威。充分な注意が必要ですので、医師とじっくり話し合いましょう。

腎機能障害

腎機能障害(腎疾患)とは腎機能が低下していることを指し、その原因は多岐に上ります。腎機能障害を抱えている人は免疫力が落ちていて、インプラント手術後の治りが遅くなることが。しかし、症状が軽ければ問題なく治療を受けられることもあります。気をつけたいのは、自分が腎機能障害を抱えていると知らずにインプラント治療を希望するケースがあること。腎機能は一旦失うと元に戻す治療法が基本的にありません。予防がとても大切な病気です。

気管支喘息

気管支喘息は気管支が発作によって狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。発作は水が喉に流れ込んだ刺激や、薬品の刺激臭によって誘引されることがあるため、インプラント治療の際には要注意です。気管支喘息がある場合は、症状が落ち着いているときにインプラント治療を受けるのがおすすめ。また、たとえ症状が起こっていないときであっても、気管支喘息が持病の場合には事前に歯科医に伝えましょう。投与する薬の種類に気をつける必要があるためです。

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患とは、これまで慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気のこと。主にタバコの煙など、有害物質を長期にわたって吸い続けたことで肺が炎症を起こしている状態です。慢性閉塞性肺疾患の中には呼吸器喘息で頻繁に発作を起こすケースがあることから、インプラント手術では禁忌にあたる症状に数えられています。ただし、クリニックによっては慢性閉塞性肺疾患であってもインプラント手術を行えるところもあります。

心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中を起こしてから6ヶ月以内

心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中を起こしてから6ヶ月以内の人は、基本的にインプラント治療は受けられません。、たとえ6ヶ月以上経過していても、服用している薬によっては注意が必要で、色々と対策がほどこされることがあります。ただ、薬を服用しているから絶対にインプラントができないということではないので、かかりつけ医や歯科医に相談し、二者に連携してもらってから治療を受けましょう。

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川崎のおすすめ歯医者

コンビニの数より多いと言われる歯医者ですが、それぞれ得意とする治療は異なります。あなたの悩みあるいは診てもらいたい診療科目から、適切な歯医者を選んでくださいね。