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インプラント治療を実施する前に、必ず実施される「カウンセリング」。初めての方は、何を聞かれ、何を話せばよいの戸惑うこともあるでしょう。そこで、今回はインプラント治療前に受ける「カウンセリング」について、詳しく解説していきます。
インプラント治療前のカウンセリングでは、問診やお口の状態のチェックなどが行われます。これは、現在患者さんがどのような状態にあるのかを把握すること、そして、どのようなアプローチでインプラント治療を進めていくかを考えるためのものです。
また、患者さんに対して、どのような希望があるのかを聞く機会でもあります。インプラント治療は、さまざまな方法があり、患者さんの希望も多様です。カウンセリングはそれらを、明確にして、ゴールを設定し、治療計画を立てる大切な治療の第一歩なのです。
インプラント治療は、歯並びや噛み合わせ、顎の骨、全身疾患などによって治療方法が大きく異なります。そのようなことを加味して、インプラント治療のカウンセリングでは、どのようなことが話し合われるのか、具体的な内容を見ていきましょう。
まずは、患者さんが歯を失ってしまった原因や期間、インプラント治療を受けようと思ったきっかけなどを聞かれることが多いです。歯がない期間が長ければ、顎骨が吸収されて薄くなっている可能性もあります。
また、入れ歯やブリッジから乗り換える場合には、どのような点に不便を感じているかなども明確にして、それがインプラントで解消できるかを検討しなければなりません。
問診・ヒアリングのあとは、検査に進みます。検査は主に2種類あります。
ひとつ目は口腔内の検査で、虫歯や歯周病、かみ合わせの状態などを確認。もし、虫歯や歯周病があった場合には、治療をおこなってからインプラント治療を実施することになります。
もう一つの検査は、レントゲンや歯科用CTスキャンを使用した検査です。こちらの検査では、骨や粘膜の状態を確認。骨が足りない場合には骨を増やす手術を検討します。また、ほかの疾患がある場合は、担当医と相談することもあります。
検査が終了すると、歯科医師は診断をして、どのような治療方法があるかを患者さんに説明します。また、患者さんの予定や希望を聞き、どのような治療方法が適しているのかを話し合うことになります。
インプラント治療では、手術が必要であり、治療期間も半年程度かかることがありますので、その間の通院スケジュール調整もあります。また、費用の概算や分割払いの有無なども相談しながら、治療を決めることになります。
気になるカウンセリングの費用は、無料から3万円程度と、歯科クリニックによって違いがあります。たとえば、あるクリニックでは相談は無料で、検査代金は有料となります。
また、そのクリニックで治療をすることで相談・検査費用が無料になるケースも。歯科クリニックに行く前に、どこまでが無料なのかを確かめておくとよいでしょう。
患者側からは、カウンセリングに際してどのような話をすれば良いのか、迷う方も多いでしょう。以下に必ず伝えておくべきことをご紹介します。
いままで罹った病気や、現在の持病、アレルギーの有無は、必ず伝えるようにしてください。持病がある場合、手術に耐えられるかを判断する必要があります。
また、インプラントで使用するチタンは、アレルギーを起こしにくいですが、アレルギーを起こす人もいます。持病やアレルギーがあっても、インプラント治療を受けられる可能性は大いにありますので、これらのことは必ず伝えるようにしてください。
服用している薬があれば、伝えておきましょう。インプラント治療で処方される薬と飲み合わせが悪い薬もあります。
たとえば「血液をサラサラにする薬」「血栓を防止する薬」では、インプラント手術で止血できないことがあります。また、「ステロイド薬」では手術後の治癒が遅れる可能性も。いずれも対処方法がありますので、担当医の指示に従いましょう。
インプラント治療は必ず手術を伴います。そして、手術への不安を抱えている方は非常に多いです。そのため、クリニック側もさまざまな対応を用意していることがあります。たとえば、ウトウトと半覚醒状態で手術が受けられる「静脈内鎮静法」などです。相談すれば解決できるケースもあるので、気軽に聞いてみましょう。
インプラント治療は、顎骨とインプラント体が結合するのを待つために、長期間にわたります。もし、あらかじめ長期の出張や旅行などの予定があれば伝えておいてください。また、通院ができない曜日や時間帯、引っ越し予定がある場合なども伝えておきましょう。
ご紹介してきたように、インプラント治療では事前のカウンセリングが重要です。どのような治療をするか、患者さん自身の希望を反映できる機会でもあるのです。そして、既往症などを把握することで、安全な治療にも結びつきます。
ただ、カウンセリングも時間の制限があります。聞きたいこと、伝えたいことはメモなどにまとめておくといいでしょう。