公開日: |更新日:

オールオン4

インプラント治療には多くの手術方法があります。なかでも無歯顎(むしがく:歯がまったく無い状態)の患者さんに検討されるのがオールオン4です。この治療では、基本的に4本のインプラントを埋入することで、すべての歯を支えます。今回はオールオン4について、詳しく解説していきます。

オールオン4とは

無歯顎の患者さんの場合、通常のインプラント治療では、症状によりますが10本以上のインプラント体を埋入する必要がありました。基本的に一本のインプラントで人工歯を一つ装着することがスタンダードだったからです。しかし、1993年にポルトガルの歯科医師パウロ・マロ氏が開発したオールオン4では、4本のインプラント体を斜めに埋入することで強度を出し、12本の人工歯を持つ上部構造を支えています。この治療コンセプトは、世界的なインプラントメーカーであるノーベルバイオケアから提供されており、デジタルシミレーションなど綿密なマニュアルで実施されています。

オールオン4のメリットデメリット

メリット

違和感なく、よく噛める

オールオン4とよく比較されるのが、同じ無歯顎の治療である総入れ歯です。両者の大きな違いは、固定方法にあります。総入れ歯の固定方法は粘膜に吸着させていますので、噛む力は天然歯の2割から3割程度と言われています。一方、オールオン4ではインプラント体によってしっかりと骨との結合がなされており、また、上部構造も固定式なので、安定して噛む事ができます。天然歯と比べてもほぼ同等の咀嚼力があると言われています。また、インプラント分野では「インプラントオーバーデンチャー」という治療もあります。これは、インプラントで支えられた総入れ歯のようなものです。オールオン4とは違い可撤式(取り外し可能)なので、外れてしまう可能性がゼロではなく、オールオン4に比べ少し噛む力は弱いと言われています。

身体的負担、経済的負担が軽減

無歯顎の患者さんに通常のインプラント治療をすれば10本程度のインプラント埋入が必要となります。しかし、オールオン4では、インプラント体の埋入本数を最低4本にできます。また、手術は基本的に1回で済みますので、手術の際の身体的負担は軽減できると考えられます。また、インプラント埋入本数が少なく、手術回数が1回のため治療期間も短縮できるので、治療費用の面でも軽減できることになります。

デメリット

手術が必要となる

これは、オールオン4に限らず、インプラント治療全般に言えることですが、治療には必ず外科手術が必要になります。オールオン4の場合は、基本的にフラップレスと言って、歯肉を切開せずに骨に穴を開けるので、出血も少ない可能性が高く、大掛かりな手術ではありません。しかし、局所麻酔を使用し身体の一部を侵襲することは、少なからず身体的、精神的な負担になることは確実でしょう。

適応とならないケースもある

オールオン4は、傾斜埋入と言ってインプラント体を斜めに埋入することで、顎骨と接する面積を増やすため、骨の量が少ない場合でも治療が受けられる可能性は高いです。しかし、著しく骨の量が足りない場合には、治療ができないこともあります。また、高血圧や糖尿病など持病がある方で、症状が安定していない場合にも手術中のリスク、治療後にインプラントが定着しないリスクなどを考慮して、適応外となるケースもあります。治療を希望する場合には、主治医や歯科医師と十分に相談してください。

関連記事
インプラント手術の種類

オールオン4のインプラント事例

以下は50歳女性の症例紹介です。
以前治療した上顎のブリッジが動いてしまい、痛みや咀嚼の困難さが出てきたということでした。下顎においても、部分入れ歯の不良で見た目が悪くなって気になるとの訴えがありました。持病にバゼドウ病がありましたが、薬によりコントロールは良好です。患者の希望は、固定式の人工歯で、審美性にも配慮されたものだったので、上下顎ともインプラント治療を計画。下顎は臼歯部にインプラントを埋入することとして、上顎は残存歯を抜歯後、オールオン4治療を実施することにしました。患者は人前に出る仕事であり、審美性を強く希望していたので、即時荷重が可能なオールオン4が適していると判断されました。5年経過後も順調に推移しています。

参考文献:【PDF】「インプラントを用いた全顎的補綴処置にて機能回復および審美回復した症例│日本補綴歯科学会誌13巻3号」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/13/3/13_257/_pdf/-char/ja

オールオン4ができる人できない人

できる人

無歯顎の人

オールオン4は無歯顎の方を対象にした治療ですから、現在上下どちらかの顎で歯がまったく無い方は治療の対象になります。また、数本歯が残存している場合でも、歯周病や虫歯などで将来的に抜ける可能性が高い場合は、抜歯をしてオールオン4を実施することがあります。

総入れ歯に違和感を感じる方

無歯顎になった場合、まず考えられる治療は総入れ歯です。しかし、個人差はありますが、総入れ歯の場合、違和感を感じたり、発音がうまくいかなかったりという悩みを抱える方も居ます。そのような場合、オールオン4にすると、固定式なので違和感を感じにくいと言われています。

できない人

骨の状態が悪い、持病が安定しない

オールオン4は骨の状態が悪くても、実施できる可能性が高い治療です、しかし、限界はありますので、あまりにも状態が悪い場合は実施できないこともあります。また、極端に体力が落ちていたり、持病のコントロールができないていない場合もできない可能性が高いでしょう。

健康な歯が多くある場合

基本的に健康な歯がある場合には、オールオン4は適応になりません。抜けている歯が少数な場合は、通常のインプラント治療を実施することになります。

無歯顎の方はオールオン4の検討を

オールオン4は、無歯顎の方の治療方法になります。現在歯が一本もない、または総入れ歯の場合、歯科クリニックに相談してみましょう。また、また、歯が少数残っていても将来的にダメになる可能性が高ければ、抜歯をして対応できることもあります。自分はどのケースなのか、相談してみましょう。

川崎でインプラント!
おすすめクリニック4選

悩みや目的に合った
川崎のおすすめ歯医者

コンビニの数より多いと言われる歯医者ですが、それぞれ得意とする治療は異なります。あなたの悩みあるいは診てもらいたい診療科目から、適切な歯医者を選んでくださいね。