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重度の症例では健康保険と高額療養費制度が適用となるケースもある

インプラント治療や歯科矯正治療は、基本的に自由診療です。しかし重度の症例に限って、保険適用される制度もあります。ただ、そのような症例では、治療費用も高額になり、保険適用でも自己負担は非常に大きくなります。そのような場合に使えるのが高額療養費制度です。これは、インプラントや矯正治療だけでなく、歯科でも医科でも保険診療で高額な治療費用がかかった多くの場合に使用できますので、ぜひ、覚えておいてください。

高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、高額な医療費を支払ったときに、一定の自己負担金額を超えた分が払い戻しになる制度です。同一月の医療費で計算されて、自己負担限度額は年齢や年収に応じて数段階で設定されています。ただ、この財源は健康保険から捻出されるものですから、もし健康保険制度に加入していない場合には利用ができません。また、加入はしていても、健康保険料を滞納している場合などは、利用できない場合があります。日本はほとんどの方が健康保険に加入していますので、滞納さえ気をつけていれば問題ないと思います。

保険適用の条件について

最初にご紹介したように、高額療養費制度を利用するには保険診療を受ける必要があります。インプラントや矯正歯科では、重度の症例でなければ保険適用になりません。その条件を簡単にご紹介します。

インプラント

インプラントの場合は、先天的な原因や腫瘍の摘出・外傷などで、広範囲に渡って顎の骨を失ってしまった状態では、健康保険の適用となります。広範囲というのは、顎の骨の1/3以上が連続して欠損している、もしくは上顎洞、または鼻腔へと繋がっていると診断された場合です。

歯列矯正

歯列矯正において、保険適用になるのは以下のものです。

所得に応じて援助額が変わる

70歳未満

所得区分 自己負担限度額 多数該当(※2)
① 区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)
(報酬月額81万円以上の方)
252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1% 140,100円
② 区分イ
(標準報酬月額53万〜79万円の方)
(報酬月額51万5千円以上〜81万円未満の方)
167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1% 93,000円
③ 区分ウ
(標準報酬月額28万〜50万円の方)
(報酬月額27万円以上〜51万5千円未満の方
80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1% 44,400円
④ 区分エ
(標準報酬月額26万円以下の方)
(報酬月額27万円未満の方)
57,600円 44,400円
⑤ 区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
35,400円 24,600円

※1総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。

※2療養を受けた月以前の1年間に、3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合には、4ヵ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。

「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。

70歳以上

被保険者の所得区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 外来・入院(世帯)
① 現役並み所得者 現役並みⅢ
(標準報酬月額83万円以上で高齢受給
者証の負担割合が3割の方)
52,600円+(総医療費-842,000円)×1%
[多数該当:140,100円]
現役並みⅡ
(標準報酬月額53万〜79万円で高齢受
給者証の負担割合が3割の方)
167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
[多数該当:93,000円]
現役並みⅠ
(標準報酬月額28万〜50万円で高齢受
給者証の負担割合が3割の方)
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
[多数該当:44,400円]
② 一般所得者
(①および③以外の方)
18,000円
(年間上限14.4万円)
57,600円
[多数該当:44,400円]
③ 低所得者 Ⅱ(※3) 8,000円 24,600円
Ⅰ(※4) 15,000円

※3被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合です。

※4被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合です。

現役並み所得者に該当する場合は、市区町村民税が非課税等であっても現役並み所得者となります。

高額医療費制度の申請の流れ

高額療養費制度は、自分で申請をすることによってのみ、受け取れる制度です。申請をしなければ受け取りができませんので、注意しましょう。申請の方法には、医療費を支払った後に申請して入金して貰う方法と、支払う前に申請をして、医療費を自己負担分だけ支払う方法があります。

事後に申請する場合

まず、医療費を支払った後に申請する方法について説明していきましょう。まず、加入する保険によって申請先が違いますので、注意してください。

企業の保険組合や協会けんぽの場合は、その支部に申請し、国民健康保険の場合は、自治体に申請します。協会けんぽ等の場合は、基本的に自分で計算をして申請書をホームページなどでダウンロードし、申請します。国民健康保険の場合は、自己負担限度額を超えていた月の3~4か月後に、自治体から該当する世帯に申請書が郵送されてきます。その申請書に必要書類を添付して郵送で提出します。

注意点としては、2年間の有効期限があること、また、申請から入金までは3ヶ月以上かかることです。

事前に申請する場合

事前に申請することは、大きなメリットとなります。それは、「限度額適用認定証」というものが発行され、これを支払い時に医療機関に提示することで、自己負担分のみの支払いで済むからです。

70歳以上の住民税課税世帯の場合は、事前の申請をしなくても、健康保険証だけで同じ手続きが自動的にできます。この手続も、協会けんぽなどの場合と国民健康保険の場合では申請先が違います。

協会けんぽなどでは、申請書をダウンロードして各支部に郵送します。ただ、一部の年金事務所や病院窓口では、直接手続きができる場合もあるので、調べてみましょう。一方、国民健康保険の場合は、自治体の窓口で手続きします。必要書類は健康保険書と本人確認書類などです。

医療費控除との違いは?

高額療養費制度と混同されがちな制度に医療費控除があります。両者の違いは、まず、申請や受け取り時期です。

高額療養費は月ごとですが、医療費控除は1年を通しての医療費です。受け取り時期は前者は申請から数カ月後、後者は3月から4月頃になります。また、対象も違います。高額療養費は差額ベッド代や食事代は対象外ですが、医療費控除は対象となっています。そして受け取り内容ですが、高額療養費は限度額を超えた全額が戻りますが、医療費控除は10万円を超えた分に税率をかけた金額ということになります。

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